「レバノン・イスラエル 海洋境界線画定案に署名」

本日の東京新聞朝刊に、中東レバノンとイスラエルの海洋境界線最終案に両国が署名したとの記事が掲載されていた。

レバノンというと、3年前の2019年にカルロス・ゴーン元日産CEO(最高経営責任者)が、保釈中であったにも関わらず、作業員に変装し音響機材の荷物の中に隠れて日本から逃亡した先の国の印象が強い。また2年前の2020年には、港湾に放置されていた硝酸アンモニウムが爆発し、映画さながらの惨事(下記動画参照)になったことも記憶に新しい。

記事にもあるが、高い失業率やインフレに悩むレバノンが交渉を焦ったのであろう。レバノン側が国家として認めていないイスラエルとの間で国境(正確には海洋境界線)を画定させるという不思議な協議という印象は拭えない。地図を見る限りでは妥当なところで境界線が引かれているように感じるが。

「フィリピン米軍拠点 10ヶ所 に倍増を協議」

本日の東京新聞朝刊に、米国とフィリピンの防衛協力の拡大が報じられていた。フィリピンには日本とは異なり米軍基地が置かれていない。しかし、今年に入ってからいよいよ中国の南シナ海への軍事進出に耐えかねて、米軍がフィリピン軍の軍事施設を利用する形で米比軍事合同演習が再開されている。

南シナ海は中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの6カ国に挟まれた場所に位置し、大陸棚となっているため豊富な漁業資源が存在する。6カ国が領有権を主張しており、国境が定まっていない。また、その中心近くに莫大な天然ガスや原油が埋蔵されていることが調査で分かっている。

フィリピンは米国の植民地だったため、政治的には親米的な流れと反米的な流れの両面がある。中国も米国もフィリピンが御し易いと判断したのか、ASEANの一角であるフィリピンの切り崩しに動いている。ちょうど授業で東南アジアを扱うので、授業の中で取り上げてみたい。

「高温死者 20年で7割増」

本日の東京新聞夕刊に、来月開幕する国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)を前に、WHOの研究チームが発表したレポートが紹介されていた。

気候変動で押さえておいてほしい点は、移動ができず天候の影響をもろに受ける植物は影響が大きいのに対し、移動できる虫や動物は比較的影響が小さいという点だ。農作物はその気候と土壌に適した

「沖縄白化サンゴ9割」

本日の東京新聞夕刊に、沖縄県石垣島と西表島の間に生息する国内最大のサンゴ礁の9割が、サンゴ礁の白い骨格が透けてみえる白化状態にあると報じられていた。海水温の上昇が原因である。サンゴ礁は熱帯や亜熱帯の暖かくて浅い海を好むが、暖かくなりすぎると死滅してしまう。

サンゴ自体はクラゲやイソギンチャクと同じく動物に分類されるが、体内に褐虫藻という光合成をする植物性プランクトンを取り入れている。その褐虫藻が生み出す酸素と栄養素を取り込む共生生活を行っている。そのため、サンゴ自体は動物でありながら、サンゴ礁は海の熱帯雨林と呼ばれるほど、二酸化炭素を取り込み、豊かな生態系を生み出している。そして寿命が尽きると、その骨は海の底に重なり合っていき、やがて炭酸カルシウムの石灰岩になっていくのである。

「メキシコ 背後に麻薬組織存在か」

本日の東京新聞夕刊記事に、麻薬組織の実態を追う記者が今年だけでも13人殺害されているとのショッキングな記事が掲載されていた。

記事にもあるが、メキシコは麻薬の一大消費地であるアメリカと生産地の中南米のちょうど中間に位置する。コカインの原料となるコカの葉は、南米のボリビア、コロンビア、ペルーの3カ国でほぼ全量が生産されており、2014年におけるコカインの生産量は746〜943トンと推算されている。南米と米国を結ぶ陸路もしくは海路(空路は税関や検疫のチェックが厳しい)の中継地や集積地に、犯罪組織が介在しているのであろう。