「チャイニーズドリーム in『赤いワイキキ』」

本日の東京新聞夕刊に、中国の海南島のビーチにサーファーの若者が集まっているとの記事が掲載されていた。12月に入っていよいよ冬将軍が訪れる中、半袖の若者が写っている記事に違和感を持った。

ケッペンの気候区分で確認すると、海南島は太平洋西部を流れる暖流上に位置する。北米のフロリダ半島のマイアミも同様であるが、北緯20度近い位置にもかかわらず熱帯に位置する。冬でも最寒月の平均気温が18度以上あるので、サーフィンができるのも納得である。

ついでながら、同じ理由で台湾にも熱帯気候区分の地域がある。そこではタピオカの材料のキャッサバが生産されている。

「暖水系の魚活用へ模索」

本日の東京新聞朝刊に、地球温暖化の影響で、国内で取れる魚が様変わりし、海水温が低い水域を好むサケやサンマの漁獲量が減っているとの記事が掲載されていた。一方で、海水温が高い水域を好むサワラやブリ、タチウオ、シイラなどの水揚げが増えている。

記事の最後の方で、海水温の1度上昇は、陸の10度前後の上昇に相当すると説明されている。海水温の上昇がこれほどの影響を持つとは知らなかった。ちょうど2年生の地理の授業で扱っている分野なので、授業の中で強調して説明していきたい。

「盛り土に囲まれる住宅地」

本日の東京新聞夕刊で、千葉県野田市に点在する、盛り土に囲まれた低地に建てられた住宅が浸水被害に巻き込まれるとの報道があった。記事中の地図の地名を見ると、越谷や松伏と千葉県を結ぶ野田橋を渡った先である。あのあたりの川沿いは結構凸凹な地形となっている。

私が自転車を購入したスポーツ自転車専門店があり、地図の周辺は自転車で走りこんだところである。江戸川は利根川と分岐する関宿城付近で流量を調整することができ、上流から下流までほぼほぼ直線で、さらに堤防も整備されているので、周辺で降った雨は比較的江戸川に流れ込みやすいため、内水氾濫が起きにくい場所である。ただし、記事にもある通り、低地に溜まった水の排水管が詰まってしまっては元も子もない。

20、30年前まで、獨協大学周辺は浸水被害の多い地域であった。付近を流れる毛長川や綾瀬川自体が氾濫してしまい、内水氾濫を起こしてしまいがちであった。記事にも全国に多数とあるが、埼玉県東南部の越谷、草加、八潮、吉川、三郷地域の方が危ない。自治体のハザードマップで家や職場、学校の被害予想を確認しておきたい。

「環境悪化止まらず」

本日の東京新聞夕刊に、ブラジルアマゾン川流域の熱帯雨林とオーストラリア北東部のグレートバリアリーフの破壊が止まらないとの報告が掲載されていた。

ブラジルでは家畜飼料として高値で輸出される大豆などの畑や牛の放牧地を開墾したり、資源開発のために、1年間で東京都の5倍の大きさの森林が伐採されている。また、オーストラリアでは地球温暖化の影響で海水温が上昇しており、サンゴが死滅し白化が進んでいる。

ブラジルの熱帯雨林もオーストラリアのサンゴ礁も、どちらも光合成によって二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す、「地球の肺」の役割を果たしている。ブラジルの方は政策によって抑えることができそうだが、オーストラリアは太平洋域の海水温の上昇なので、一政府としての方策は限られる。

「干上がる国土 イラク渇水深刻」

本日の東京新聞朝刊にイラクの水不足が深刻化しているとの記事が掲載されていた。
イラクはもともと年間降水量が250mmを下回る砂漠気候(BW)である。そのため降水量の多いトルコに降った雨が、ティグリス川とユーフラテス川を通じてイラクに流れ込んでいたのである。そうした流水の大部分を上流の湿潤気候地域の降水に依存している河川のことを外来河川と呼ぶ。ティグリス川とユーフラテス川に挟まれた現在のバグダッド周辺でメソポタミア文明が起こっている。

20世紀は原油を巡る戦いが起き、21世紀は水を巡る戦いが生じると言われている。記事でもラマダン・ムハンマド教授は「国際河川の水量を巡る争いが地域紛争の火種になりかねない」と警告を発している。気候変動によって世界各地でこれまで経験したことのないような洪水や渇水が報告されている。水の持つ恵みと恐怖をきちんと認識しなくてはならない。