「ウィシュマさん映像 本誌記者視聴」

本日の東京新聞夕刊に、今週の授業で取り上げた入管の問題が取り上げられていた。在留期限が切れてオーバーステイで収容されたスリランカ女性、ウィシュマ・サンダマリさんが、名古屋入管職員の非人道的な対応で亡くなったという事件である。

日本で暮らす外国籍の在留資格(ビザ)を審査し、可否を判断しているのが、出入国在留管理庁(入管)である。入管はまた、オーバーステイ(在留許可期限を越えて滞在)などの理由で、在留資格がない非正規滞在の人たちを、行政権限で全国9カ所以上の施設で収容している。なかには本国で暮らすことができず、日本に逃げてきた人たちを何年にも渡って刑務所のような施設に収容することすらある。

この事件は表面的には名古屋入管職員の対応の失敗が原因だが、問題の背景としては、日本の排外主義的な移民・難民政策が指摘される。

「特急で2時間 両毛産イチゴ都内へGO !!」

本日の東京新聞夕刊に、東武鉄道が運行する特急「リバティりょうもう」で、栃木・群馬両県の採れたて農産物を運び、都内で販売する実証実験が始まったとの記事が掲載されていた。すでに航空機で鮮魚を羽田空港まで輸送したり、新幹線で金沢の朝採れ野菜を運ぶ取り組みもあるので、別段驚きもしなかったが、日常目にしている東武スカイツリーラインを経由するので目に留まった。環境という点からも、温暖化ガスの排出が少ない鉄道を活用するというのは良いアイデアである。バスやトラックの運転手不足も指摘される中で、環境に良い鉄道の活用がもっと広がると良い。

「シリア被災者ら苦境」

本日の東京新聞朝刊より。
本日の授業で紹介したシリア北西部のイドリア県に関する記事である。イドリア県は内戦が続くアサド独裁政権に対する反政府派が支配する地域である。同じスンナ派のトルコとも関係が深い。そのため、アサド政権の軍隊が執拗に軍事攻撃を仕掛ける地域として知られる。記事によると、シリア政府は外国の救助隊の入国を認めず、イドリア県の被災住民が孤立するように画策しているとのこと。トルコとの国境付近から入国して救援活動を行うという手もあるが、ここは日本も率先して、正式な外交ルートを経て、シリア政府の協力を得て救援活動を行うべきである。

「英EU離脱から3年 「国境制御」裏目、不法移民4万人超」

本日の東京新聞朝刊に、「英EU離脱から3年」と題した連載コラムに、EUから離脱して以降、逆に英国で不法移民が増加しているとの記事が掲載されていた。

イギリスとフランスを隔てるドーバー海峡は、最狭部で34kmという短い距離だが、偏西風と北大西洋海流の影響を受け、潮流が早いことで知られる。実際に泳ぐと距離は50kmとも60kmともいわれる。

記事によると、シェンゲン協定から離れ再び国境制御を強化した英国で、海峡を越えて不法侵入する移民が4万人を越えたという。そうした状況の中で、識者の「政府が合法的な難民の受け入れを閉ざせば閉ざすほど、不法ルートで危険な海を渡る人は増える」ため、「政府の強硬策は危機を創り出しているだけだ。合法的な受け入れの拡大に政策を転換すべきだ」との指摘は両手を挙げて賛成である。日本も対岸の火事では済まされない。今から、多様性を受け入れる視野と寛容性を持った若者を育てていきたい。

「鶏卵王国厳戒」

本日の東京新聞朝刊に、鶏卵生産量の第1位の茨城県と同第2位の千葉県で、相次ぐ鳥インフルエンザや飼料高騰で経営不安が広がっているとの記事が掲載されていた。

考えてみれば、なぜ鶏卵の生産量は茨城と千葉がトップで、同じ首都圏近郊の埼玉や栃木、群馬がランキング上位にも入っていないであろうか。
ネットで検索したところ、鶏は夏場の暑さに弱いので、毎年最高気温を記録する熊谷や館林がある埼玉県や群馬県は、飼育が難しい地域とされるそうだ。また、関東の飼料工場は茨城県神栖市に集中しており、千葉県や茨城県へ飼料を運びやすいことも養鶏が盛んになった背景と考えられるとのこと。以前は神奈川県や越谷市など埼玉県南部にも養鶏の盛んな地区があったが、宅地化の波に飲まれ次々に廃業に追い込まれている。そして、大規模な養鶏場があった茨城県や千葉県が関東の養鶏を支えている状況となったようである。