「命守る避難計画を」

本日の東京新聞朝刊に、「脱原発をめざす首長会議」が「何かがあった時に全面的に責任を取らなければならないのは基礎自治体の首長だ」との考えから、「確実に命と生活を守れる現実的な避難計画がない限り、原発を稼働させてはならない」とする決議を採択したとの記事が掲載されていた。

確かにその通りである。地理総合の授業でも防災教育として、避難経路を考えるという項目がある。高台や尾根線を通って、シェルターや津波タワーに逃げ込むまでのルートを考えるのだが、そもそも原発に破損が生じた場合は、シェルターなど何の意味もない。そもそも究極の防災教育の答えは原発を即時廃止することである。

ただし、原発反対とだけお題目で言っても仕方ないので、授業の中で、天然ガスの高効率燃焼や最新の再生可能エネルギー事情に触れていきたい。

「奈良の風土ワインで表現」

本日の東京新聞夕刊に、およそブドウの生育環境にそぐわない奈良盆地でブドウ栽培、ワインの製造が行われているという記事が掲載されていた。ブドウは夏に乾燥する地中海性気候がよいとされている。ブドウ自身が乾燥から身を守るために、たっぷりと実に水分を蓄えるからだ。地中海性気候は地中海周辺のスペイン、フランス、イタリア、トルコだけでなく、南アフリカやオーストラリア、チリ、アメリカ西海岸など、世界各地に見られる。そうした地域でワインの生産量が多い。日本では降水量が少ない内陸の山梨県で第1位、長野県で第2位の生産量となっている。

記事にある奈良は内陸ではあるが、海が近く、夏の降水量も多い。記事にも湿気を嫌うブドウの栽培は簡単ではないとある。そのため、収穫量こそ少ないが、そのぶん酸味が穏やかな味わい深いブドウが収穫されるという。

品種改良や灌漑によって変わりつつあるが、農業は気候と大きな関係がある。地理総合の授業の中で、そうした点について突き詰めていきたい。

「世界を共に築く 中南米に連携訴え」

本日の東京新聞朝刊に、外遊中の岸田総理のブラジル・サンパウロでの演説の模様が報じられていた。グローバルサウスと呼ばれる、中南米の新興・途上国と日本が連携することによって、新たなビジネスチャンスによる格差の是正や日系人を通じた交流、中国の進出への牽制などがテーマとなっている。グローバル・サウスは聞きなれない名称だが、世界の人口第1位のインドや、同4位のインドネシア、同5位のパキスタン、同6位のナイジェリア、同7位のブラジル、同10位のエチオピアが含まれる。また、人口1億人規模のエジプトやフィリピン、イランが含まれる。2050年には世界人口の3分の2がグロバールサウスの国になるとの予想もある。

少子化に悩む日本がこうした国と経済連携を図っていくのは大変重要である。しかし、もうすでに日本がイニシアチブを取れる時代ではなくなりつつある。日本の工業製品の売り込みもよりも、観光やコンテンツ産業に注力したい。

「15歳未満人口 43年連続減」

本日の東京新聞朝刊に、15歳未満人口が43年連続減という記事が掲載されていた。
1974年以降、合計特殊出生率が以一貫して右下がりとなっているのだ。現在の日本では人口を維持(人口置換水準)するには、合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数)は2.07必要である。団塊ジュニアのピークである1973年こそ、2.14と上回ったものの、1974年は2.05となり、それから50年間一度も人口を維持する2.07を上回っていない。

人口の問題は地理総合の大きなテーマの一つである。世界では東アジアや欧州での少子化とアフリカの人口爆発が同時に急速に進んでいる。こうした問題も授業の中で扱っていきたい。