「アカウミガメ回遊路を追え」

本日の東京新聞夕刊に、日本近海で産卵するアカウミガメの生態に関する記事が掲載されていた。アカウミガメは黒潮に乗って北太平洋中部で回遊して暮らすことが分かっているが、詳細は不明である。記事によると、近年の海水温上昇に伴い、日本近海を流れる暖流ではなく、北米大陸西岸を流れる寒流カリフォルニア海流付近まで生息域を移しているとのこと。海流の動きの地図と見比べると、理解しやすいであろう。

今回のアカウミガメだけでなく、多くの魚が生息域を北に移している。これまで北海道近海の寒海魚がロシアのEEZへ移動するとなると、日本の沖合漁業はますます先細りになってしまう。

「タイ密入国 息潜め生活」

本日の東京新聞朝刊に、ミャンマーの避難民がタイ北西部のターク県に密入国し、不法滞在を余儀なくされている現状が報じられていた。ミャンマーとタイは隣国ではあるが、アルプス・ヒマラヤ造山帯の険しい山に隔てられており、文化や言語も大きく異なる。

1957年に公開された映画『戦場にかける橋』(英・米合作)では、タイとミャンマーの国境近くにある日本軍の捕虜収容所が舞台となっている。奥深いジャングルの中のクワイ河に橋をかけようと日本軍の指揮官と英米の捕虜の駆け引きが展開される。映画は全く知らなくても、劇中の主題曲「クワイ河マーチ」は一度は耳にしたことがあるだろう。「サル、ゴリラ、チンパンジー♪」の替え歌で夙に知られている。

閑話休題。こういう時こそ、2015年に発足した、物品、サービス、投資、熟練労働者、資本の移動などを自由化することで域内の経済発展を目指すASEAN経済共同体(AEC)の出番である。ミャンマーの軍事政府との連携を密にすることは難しいであろうが、タイだけでなく、ASEAN諸国全体の課題として、難民の処遇に向き合ってほしい。

『中国・アラブ 対米で結束』

本日の東京新聞朝刊に、中国の習近平国家主席がサウジアラビアを訪問し、アラブ諸国の首脳らと会談したとの記事が掲載されていた。
サウジアラビアは米国に次ぐ世界第2位の原油の生産国である。一方、中国はエネルギー輸入大国であり、とりわけ原油の輸入は世界第1位で、第2位の米国と第3位のインドを合計した量よりも多い。双方の思惑が一致したのであろう。

中国外交の強かさが伺われる記事内容である。サウジアラビアの敵国であるイランとも関係を結びつつ、包括的な戦略パートナーシップまで合意にこぎつけている。ペルシャ湾と紅海に挟まれたアラビア半島は中国の「一帯一路経済圏構想」の中核を担っているといってもよい。サウジ王室が提供した習近平とムハンマド皇太子の握手の写真など、映画のワンシーンのように計算された構図となっている。

「チャイニーズドリーム in『赤いワイキキ』」

本日の東京新聞夕刊に、中国の海南島のビーチにサーファーの若者が集まっているとの記事が掲載されていた。12月に入っていよいよ冬将軍が訪れる中、半袖の若者が写っている記事に違和感を持った。

ケッペンの気候区分で確認すると、海南島は太平洋西部を流れる暖流上に位置する。北米のフロリダ半島のマイアミも同様であるが、北緯20度近い位置にもかかわらず熱帯に位置する。冬でも最寒月の平均気温が18度以上あるので、サーフィンができるのも納得である。

ついでながら、同じ理由で台湾にも熱帯気候区分の地域がある。そこではタピオカの材料のキャッサバが生産されている。

「暖水系の魚活用へ模索」

本日の東京新聞朝刊に、地球温暖化の影響で、国内で取れる魚が様変わりし、海水温が低い水域を好むサケやサンマの漁獲量が減っているとの記事が掲載されていた。一方で、海水温が高い水域を好むサワラやブリ、タチウオ、シイラなどの水揚げが増えている。

記事の最後の方で、海水温の1度上昇は、陸の10度前後の上昇に相当すると説明されている。海水温の上昇がこれほどの影響を持つとは知らなかった。ちょうど2年生の地理の授業で扱っている分野なので、授業の中で強調して説明していきたい。