「金氏3代 肖像画並ぶ」

本日の東京新聞朝刊に、北朝鮮の党中央幹部の養成学校の壁に、金日成、金正日、金正恩の3代世襲の総書記の肖像画が掲げられているとの記事が掲載されていた。
歴史総合の中間考査でも扱ったところであるが、北朝鮮は戦後80年間で、祖父の金日成、父の金正日、息子の金正恩の3代による独裁体制が続いている。軍力を誇示することで、国内外に威光を示す「先軍政治」が蔓延っている。

しかし、一方で、北朝鮮の政権の腐敗と、政権の失敗に喘いでいる一般庶民を混同してはならない。マスコミなどで北朝鮮の実態や拉致被害の歴史が明らかにされると、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と、北朝鮮の国民そのものを否定するようなムードが醸成されてしまう。しかし、それは違う。北朝鮮の庶民に共感を感じつつ、北朝鮮の政治を笑い飛ばすような感覚を大切にしたい。

「故郷の味 仕事の活力に」

本日の東京新聞朝刊に、埼玉県川口市のクルド人シェフによるトルコ料理のキッチンが紹介されていた。今年度の授業のポイントが多文化理解と受け入れである。道徳の授業ではないので、キレイ事を繰り返すつもりはない。クルド人が追われたトルコやシリア、イラン、イラクの歴史的・地理的な背景を交えつつ、正しく理解することを目標としたい。

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「日本で製粉『小麦』人気」

本日の東京新聞夕刊に日本で製粉した小麦粉がシンガポールで人気を博しているとの記事が掲載されていた。しかし、どこにも日本産の小麦とは書いていない。日本は小麦輸入大国なので、おそらくはアメリカ、カナダ、オーストラリア産なのであろう。

これでは鉄鉱石やレアメタルを輸入して製品として輸出するのと同じ加工貿易である。日本の質の高い製粉技術が評価されているのであろう。しかし、こうした加工技術は得てして真似されやすいので、日本製のブランドを高めるアイデアが大切である。

「入管法改正案 永住取り消し規定」

本日の東京新聞朝刊に、台湾出身の芥川賞作家の李琴峰さんのインタビュー記事が掲載されていた。一昨日の衆院法務委員会で、永住資格を取得した外国籍の方でも税金や社会保険料を払わないと、永住許可の取り消しを可能とする改正案が可決された。おそらくは、日本に来て政治や宗教、言語など何らかの理由によって、日常の生活を送っていない一部の外国籍の人を強制送還する仕組みを作りたいのであろう。記事の中で李さんが指摘するように、すでに税金や社会保険料を納めない人を罰する法律がある。そうした当然行われるべき自治体の業務を飛び越えて、政府が強権的態度をちらつかせるというのは、およそ真っ当な法治国家ではない。

遅刻が多いとか、試験の点数が取れないとか、暴言を口にしてしまった生徒に対しては、それぞれの担当の先生が日常生活指導や特別補習、場合によっては謹慎指導などを行うのが筋である。学校はある程度の失敗が許容される場所である。そうした改善なり指導なりの前に退学をチラつかせられては、落ち着いて学校生活を送ることはできない。

同じように、永住権剥奪という錦の御旗を出されては、ますます日本で働く外国人が減ってしまう。労働力の不足に悩む日本だからこそ、社会全体を見通す力が大切である。