本日の東京新聞夕刊に、来月開幕する国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)を前に、WHOの研究チームが発表したレポートが紹介されていた。
気候変動で押さえておいてほしい点は、移動ができず天候の影響をもろに受ける植物は影響が大きいのに対し、移動できる虫や動物は比較的影響が小さいという点だ。農作物はその気候と土壌に適した
本日の東京新聞夕刊に、沖縄県石垣島と西表島の間に生息する国内最大のサンゴ礁の9割が、サンゴ礁の白い骨格が透けてみえる白化状態にあると報じられていた。海水温の上昇が原因である。サンゴ礁は熱帯や亜熱帯の暖かくて浅い海を好むが、暖かくなりすぎると死滅してしまう。
サンゴ自体はクラゲやイソギンチャクと同じく動物に分類されるが、体内に褐虫藻という光合成をする植物性プランクトンを取り入れている。その褐虫藻が生み出す酸素と栄養素を取り込む共生生活を行っている。そのため、サンゴ自体は動物でありながら、サンゴ礁は海の熱帯雨林と呼ばれるほど、二酸化炭素を取り込み、豊かな生態系を生み出している。そして寿命が尽きると、その骨は海の底に重なり合っていき、やがて炭酸カルシウムの石灰岩になっていくのである。
本日の東京新聞夕刊に、韓国の人気音楽グループ「BTS」のメンバーが、今月から順次入隊の手続きを行うとの記事があった。
ソ連の後押しを受けた北の朝鮮民主主義人民共和国と、アメリカの後ろ盾を持った南の大韓民国の間で1950年に勃発した朝鮮戦争は、いまだ終結しておらず、いつでも再開の可能性が残された休戦状態にある。そのため韓国では男子に18ヶ月の兵役義務が課されている。ちなみに北朝鮮では高校卒業後、男子に8年、女子に5年もの兵役義務が課されている。
韓国では通常満18歳で徴兵検査対象者となり、19歳になる年に兵役判定の検査を受ける。つまり大学生であれば1年生の時に検査があり、2年生になる前に約2年休学して入隊することになる。20歳前後の2年間を男だけの世界で暮らすことになるのだ。ただし、芸術やスポーツの分野で活躍した人は延期や免除が認められている。
ちなみに記事にある釜山は韓国第2の都市である。ただし、韓国の人口の半数が暮らすソウル首都圏と比べ、釜山の人口は350万人ほどとなっている。ちょうど日本に当てはめると、北海道人口500万人のうち200万人が道庁所在地の札幌に、35万人が第2の都市旭川に暮らしているようなものか。
本日の東京新聞朝刊に昨日閉幕した中国共産党大会の模様が報じられていた。
中国にも日本の国会に相当する「全国人民代表大会(全人代)」という年に10日間ほど開かれる最高権力機関がある。しかし、中国は共産党しか認められていないので、全人代は形式だけで、共産党大会が事実上の最高機関となっている。
この5年に1度開かれる共産党大会が昨日閉幕したのである。欧米と距離を取り中華思想の発展を企図する習近平総書記の再任や台湾の独立に断固として反対することなどが決定している。内戦を戦った毛沢東は蒋介石が逃げ込んだ台湾島を武力での統一を考えていたと言われる。一方で、1980年代の改革・開放政策を推し進めた鄧小平は台湾の経済的発展を取り込もうと、長期的なスパンで平和的解決を望んでいたと言われる。
この点は1950年代以降の中国の計画経済が失敗した一方で、台湾はアジアNIESの一角として輸出指向型工業を中心に急激な経済成長を遂げた点からも考察できる。1980年代以降、中国沿岸の経済特区と台湾の間の活発な貿易が、世界の工場となった中国を支えてきた。昨年も中国の輸入相手国・地域で台湾が2年連続1位となっている。中国は台湾から半導体を含めた電子部品を大量に輸入しており、中国の主要産業の屋台骨ともなっている。
記事にもある通り、中国は短兵急な台湾の武力統一を望んでいないであろう。国内向けの政治的アピールという側面が強い。問題は日本や米国、韓国の対応である。バイデン大統領にせよ、岸田総理にせよ、過敏すぎる対応は控えた方がよい。
今大事なのは中国を含めた日本、韓国、台湾の互恵的な経済発展である。コロナで冷え込んでしまった観光や半導体生産で協力体制を構築することである。幸い東南アジア諸国連合(ASEAN)に日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドを含めた「地域的な包括的経済連携協定(RCEP)」が今年発効されている。政治的ないざこざと経済連携を一緒くたにしてはいけない。
ちょっと話が広がりすぎた。ちょうど授業で扱ったばかりだったので、時間があれば伝えたかったことを書きました。