「ネパール地震 157人死亡」

本日の東京新聞朝刊に、ネパールでの地震の模様が報じられていた。
ネパールは一人あたりのGDPが1300ドルで、アジア最貧国となっている。2020/2021年度の貿易統計を見ても、輸出が1,411.2億ルピーなのに対し、輸入は1兆5,398億ルピーと10倍以上の輸入超過となっている。コロナ禍で産業の柱であった観光も落ち込んだので、国全体が疲弊している中での大災害となった。

ネパールはインドプレートとユーラシアプレートがぶつかる変動帯に位置する地震多発地域である。現在でも年間45mmの勢いでインドプレートがユーラシアプレートを持ち上げ続けている。そのため、ユーラシアプレートの南端が隆起してできたヒマラヤ山脈は、年間10mm近く成長を続けている。ヒマラヤ山脈山頂付近で貝の化石が見つかるという話も納得である。

「米揺さぶる抵抗の橋軸」

 

本日の東京新聞朝刊に、中東におけるイランの反米戦線の様子が報じられていた。教科書的なスンニ派VSシーア派という対立構造は崩れ、直接にアラビア半島のスンニ派諸国やイスラエルを支援する米国に対し、イランや中国、ロシアが対立するという冷戦的な枠組みとなっている。

ガザ地区のハマスやレバノンのヒズボラは、貧困層への支援などイスラム主義に基づく運動を展開し、国会や自治政府に議席を持つ公的な組織である。

一方、イスラエルは強固な軍事国家である。世界で男女とも徴兵制度がある国は、イスラエル、マレーシア、ノルウェー、スウェーデン、北朝鮮の5カ国のみである。その5カ国の中でも、イスラエルは男性32ヶ月、女性24ヶ月と、北朝鮮に次いで長期間となっている。

今回の衝突は、ハマスの先制攻撃から始まったが、その背景にあるものをしっかりと理解したい。

「タイ イスラム教徒ら抗議デモ」

本日の東京新聞朝刊に、タイのイスラム教徒がイスラエル大使館まで抗議デモを行ったとの記事が掲載されていた。タイの国民の95%は仏教である。そして、残りの5%がイスラム教で、その多くがマレーシアとの国境が近い南部に集まっている。世界史でいうと、14世紀から19世紀にかけて、ちょうどタイの南部にマレー系のパタニ王国というイスラム国があったことに由来する。

Wikipediaによると、旧パタニ領の一部の地域である深南部三県では、住民のタイ政府に対する反発と、黄金時代のパタニへのあこがれから、パタニ王国再興を大義名分にした分離独立運動の動きがあるとのこと。

今回の件に始まったことではないが、タイは地域的に中国の影響が強く、タイ南部の独立運動が周辺の大国の思惑に利用される懸念がある。

「異例の猛暑から暖冬へ」

本日の東京新聞夕刊に、今冬は「エルニーニョ現象」の影響で暖冬予想との記事が掲載されていた。エルニーニョもラニーニャもスペイン語で、南米の沿岸を流れる暖流を意味する。エルニーニョ現象が発生すると、太平洋全域を環流する海流の流れが遅くなるので、太平洋西側の暖海域が東側に拡散する。そのため、ペルー沖の海水温が上がり、深海と浅海の対流が起きなくなるので、深海の豊富な栄養分が供給されなくなり不漁となる。イワシの漁獲量でダントツの世界1位のペルーの漁業の生命線ともいってよいでしょう。

一方、ラニーニャ現象は貿易風が例年よりも強くなり、

「アフガン地震、2000人死亡」

本日の東京新聞朝刊に、アフガニスタン西部のヘラート州で地震が発生し、2000人超が亡くなったとの記事が掲載されていた。アフガニスタンはアルプス・ヒマラヤ造山帯に位置している。インドオーストラリアプレートとユーラシアプレートが衝突する境界の変動帯である。また、同志社大学の調査資料によると、大きめのactive fault(活断層)がヘラート州を貫いていることがわかる。

イスラム教原理主義のタリバン政権は世界的に評判がよろしくないが、こういう災害時の時こそ、イスラム教の「六信五行」にある助け合いの精神を発揮し、災害救助を主導してほしいと思う。