「カナダ、インド太平洋戦略」

本日の東京新聞朝刊に、G7の一角を占めるカナダが米国に足並みを揃え、インド太平洋地域で軍事的プレゼンスを高め、対中国圧力を強化する戦略を発表したとの記事が掲載されていた。日本と同様に、米軍の後方支援や人道支援などで協調体制を築き、米軍との一体化を目指すことが国益に叶うと判断したのであろう。

地図帳で見るとカナダは米国よりもわずかに大きく、世界第2位の998.5万平方キロメートルの国土面積を誇る。しかし、人口は米国の約10分の1、約3,699万人にすぎない。米国の51番目の州を任じているのであろうか。気候変動問題やウイグル自治区での人権問題など、バイデン政権の主張そのままである。

『北京 異例の抗議行動』

本日の東京新聞朝刊と夕刊それぞれに、極めて珍しいが、「ゼロコロナ対策」だけでなく、習近平体制そのものに対する抗議行動が中国各地で広がっていると報じられていた。SNSで拡散したのであろうか。アラブの春ならぬ「中華の春」になるのであろうか。

こうした国内の分断時に怖いのが、国民の人気を取るような対外政策である。中国だけでなく、日本でも米国でも政権の人気が落ちると、華々しい外交や貿易での成果や、国民が喝采するような戦争で国民を一体化させる方向に動く傾向がある。

中国国内が矛盾だらけなのは分かっているが、習近平政権が国民の怒りの矛先をどんな方向に向けるのか着目していきたい。

「地熱発電開発担う人材の育成拠点に」

本日の東京新聞朝刊に、「業務スーパー」を全国に展開する神戸物産の創業者が私財を投じて、北海道に掘削技術専門学校を開校したとの記事が掲載されていた。大変素晴らしい事業である。日本は4枚のプレートがぶつかり合う、世界でも珍しい変動帯に位置する。そのためプレートが動く限り、地下の熱エネルギーは無限に供給される。いずれ日本は地熱エネルギーに舵を切らざるを得ない時代がやってくる。こうした掘削技術の継承した若者は次世代のパイオニアになっていく。

ホームページを見ると、1年目ながら専門学校としての体をなしており、道外の高校生がオープンキャンパスに参加すると、18,000円の交通費補助まである。日本の再生可能エネルギーの主役は太陽光や風力ではなく、地熱や小水力、波力、バイオマスである。機会があれば生徒に紹介したい。

「闇の武器コネクション」

本日の東京新聞朝刊に北朝鮮がロシアに弾薬や戦闘服を渡しているとの記事が掲載されていた。2006年以降、北朝鮮は安保理決議に基づく制裁措置によって、食料や医療品、生活で必要なエネルギーなどの例外を除いて、輸出も輸入も禁じられている。

記事は旧ソ連時代の話が中心だが、ロシアの資源マネーが北朝鮮に流れ込んでいるのは見過ごすことのできない問題である。昨今の北朝鮮のミサイル発射は無視すべき問題であると考えている。迎撃システムやら敵基地攻撃能力などの過剰な反応は、米国・日本の防衛産業や国防族議員の財布を潤すだけである。日本国民を守ると声高に喧伝しながら、日本国民に犠牲を強いるものである。

一方で、周辺国が協力して北朝鮮の経済封鎖を貫徹することが求められる。記事によると北朝鮮とロシアを結ぶ貨物列車で軍需物質が送られている可能性が高いという。地図帳で示すと下図の場所である。安保理決議に基づいて貨物列車の中身を監視することが一番の近道である。繰り返すが、日本が取るべき方策は、敵基地攻撃能力を強化することではなく、安保理決議に基づいて北朝鮮とロシアの国境を監視することである。

「大谷翔平の球を打つより難しい」

本日の東京新聞朝刊にイギリス発祥のクリケットが特集されていた。 記事にもある通り、日本では競技人口4,000人しかいないマイナー競技である。しかし、インドやオーストラリアなどでは根強い人気がある。

下図は2016年の共通テストでも出題されたイギリス連邦加盟国の一覧地図である。4年に1度開催されるクリケットのワールドカップの開催国の一覧と重ね合わせると、クリケットがかつてのイギリスの植民地で人気を博していることがわかる。

1975 イングランド
1979  イングランド
1983  イングランド
1987  インド パキスタン
1992  オーストラリア ニュージーランド
1996  インド パキスタン スリランカ
1999  イングランド スコットランド アイルランド オランダ
2003  南アフリカ共和国 ジンバブエ ケニア
2007  西インド諸島
2011  インド スリランカ バングラデシュ
2015  オーストラリア ニュージーランド
2019  イングランド ウェールズ
2023  インド