「柏崎刈羽の使用済み核燃料 青森搬入計画中止を」

本日の東京新聞朝刊に、新潟県の原発の使用済み核燃料を青森の中間貯蔵施設に搬入する計画に対して、市民団体が東京電力に対して中止の要望書を提出したとの記事が掲載されていた。

使用済み核燃料の放射能が人体に危険のないレベルに下がるまで10万年かかる。10万年の間、地震や火事、火山活動や津波、土砂災害よる被害の生じない場所に保管する必要がある。地質学者によると、日本にはそうした10万年の間、造山運動による影響を受けない場所はないという。北海道の寿都町と神恵内村が最終処分場の候補地として手を挙げているが、10万年の間の安全は誰にも保障できない。

現在は、青森県むつ市の「リサイクル燃料備蓄センター」を最終処分場が決まるまでの一時的な中間貯蔵施設として指定しているが、出口のない貯蔵施設となっている。使用済み核燃料といっても、ウランやプルトニウムなどのまだ燃料として使える資源が95~97%残っていて、政府・東電は再処理を行なって再利用し、高速増殖炉で再利用するという計画であった。しかし、福井県で試験運転を続けてきた高速増殖炉もんじゅは失敗だらけで、2016年に計画が破綻した。そのため、中間貯蔵施設に使用済み核燃料が貯まり続けている。いったい、地震大国日本で、誰が10万年間の安全を口にできるのか。

「インド自動車市場競争激化」

本日の東京新聞朝刊に、世界最多の人口を抱えるインドの自動車市場の様子が報じられていた。1990年代はスズキが60%のシェアを誇ったが、近年は中国や韓国メーカーも進出し、昨年度のシェアは41.6%にまで落ち込んでいる。
また、記事には牛糞燃料計画もあるという。インドは乳製品の消費が多いので、ブラジルに次いで牛の飼育数が多い国として知られる。(1位はブラジルの234,353千頭、2位はインドの193,607千頭、3位は米国の92,077千頭)大量の牛糞を燃料に使用できれば、とうもろこしやサトウキビなどのバイオマスに替わる画期的なものとなるであろう。

「日独、対中で連携強化」

本日の東京新聞夕刊に、岸田総理とドイツのショルツ首相の首脳会談の様子が報じられていた。
中国に対する経済的威圧や安全保障で協力を進展し、米露に対抗する北大西洋条約機構(NATO)や「自由で開かれたインド太平洋」防衛協力との連携を図る目的がある。アメリカの威光がチラチラ垣間見える会談である。

日本は中国との経済的な結びつきが強いので、全面的に「欧米寄り」の方向に舵を切らず、政治的には対立しつつも、経済的には日本、中国双方にメリットのあるような貿易を目指したい。

「フリマサイト 種苗規制強化」

本日の東京新聞朝刊に、フリマサイトで種苗が不正に取引されており、農水省が規制強化を検討しているとの記事が掲載されていた。種苗とは、読んで字の如く、野菜や果物、穀物の種や苗のことである。試行錯誤を繰り返し、数十年にわたる品種改良を経て生まれた種苗は、知的財産権として保護の対象となっている。つまりは、パソコンのOSやスマホのアプリなどに近いものである。

記事にあるような、育成者の権利を保護するための種苗法が改正されたのは2020年である。法案策定の段階で、農水省は次のように説明している。

〇近年、我が国の優良品種が海外に流出し、他国で増産され第三国に輸出される等、我が国からの輸出をはじめ、我が国の農林水産業の発展に支障が生じる事態が生じている。
〇さらに、育成者権侵害の立証には、品種登録時の種苗との比較栽培が必要とされる判決が
出るなど、育成者権の活用しづらさが顕在化している。
〇このため、登録品種を育成者権者の意思に応じて海外流出の防止等の措置ができるように
するとともに、育成者権を活用しやすい権利とするため、品種登録制度の見直しを図る。

であるならば、対応が遅すぎないであろうか。2020年の段階で育成権者の権利保護が謳われている。この4年間農水省は何をしていたのか。日本の産業の根幹である農業を守るという使命感に欠けるのではないか。