「闇の武器コネクション」

本日の東京新聞朝刊に北朝鮮がロシアに弾薬や戦闘服を渡しているとの記事が掲載されていた。2006年以降、北朝鮮は安保理決議に基づく制裁措置によって、食料や医療品、生活で必要なエネルギーなどの例外を除いて、輸出も輸入も禁じられている。

記事は旧ソ連時代の話が中心だが、ロシアの資源マネーが北朝鮮に流れ込んでいるのは見過ごすことのできない問題である。昨今の北朝鮮のミサイル発射は無視すべき問題であると考えている。迎撃システムやら敵基地攻撃能力などの過剰な反応は、米国・日本の防衛産業や国防族議員の財布を潤すだけである。日本国民を守ると声高に喧伝しながら、日本国民に犠牲を強いるものである。

一方で、周辺国が協力して北朝鮮の経済封鎖を貫徹することが求められる。記事によると北朝鮮とロシアを結ぶ貨物列車で軍需物質が送られている可能性が高いという。地図帳で示すと下図の場所である。安保理決議に基づいて貨物列車の中身を監視することが一番の近道である。繰り返すが、日本が取るべき方策は、敵基地攻撃能力を強化することではなく、安保理決議に基づいて北朝鮮とロシアの国境を監視することである。

「大谷翔平の球を打つより難しい」

本日の東京新聞朝刊にイギリス発祥のクリケットが特集されていた。 記事にもある通り、日本では競技人口4,000人しかいないマイナー競技である。しかし、インドやオーストラリアなどでは根強い人気がある。

下図は2016年の共通テストでも出題されたイギリス連邦加盟国の一覧地図である。4年に1度開催されるクリケットのワールドカップの開催国の一覧と重ね合わせると、クリケットがかつてのイギリスの植民地で人気を博していることがわかる。

1975 イングランド
1979  イングランド
1983  イングランド
1987  インド パキスタン
1992  オーストラリア ニュージーランド
1996  インド パキスタン スリランカ
1999  イングランド スコットランド アイルランド オランダ
2003  南アフリカ共和国 ジンバブエ ケニア
2007  西インド諸島
2011  インド スリランカ バングラデシュ
2015  オーストラリア ニュージーランド
2019  イングランド ウェールズ
2023  インド

「ジャワ島地震 断層横ずれか」

本日の東京新聞夕刊に、インドネシアのジャワ島西ジャワ州で起きた地震の続報が掲載されていた。地震の規模を示すマグニチュードは5.6だが、建物の崩壊や道路の寸断など大規模な災害となっている。

地震は大きく、海溝型地震・直下型地震(内陸型地震)の2つのタイプに分けられる。海溝型地震は主にプレート同士が狭まる境界で発生する。大陸プレートと海洋プレートの衝突具合にによっていくつかのタイプがあるが、地震の規模を示すマグニチュードが8を超える巨大地震となることも多い。東日本大震災ではマグニチュード9.0の地震が発生している。また海溝型地震の大半は海の中で起きるため津波が発生することもある。

一方、直下型地震は大陸プレートのひずみによって蓄えられたエネルギーが陸地の下まで伝わり、プレートの弱い部分「活断層」が破壊されることによって起きる地震のことである。海溝型地震と比べると、直下型地震はマグニチュードが小さくなるため、被害範囲も20~30km程度の地域に限られる。しかし、人の住んでいる下など、近い場所が震源となることが多いため、エネルギーが衰えずに地表まで伝わる。津波こそ心配ないが、特に浅いところが震源となった場合には、建物や家具の倒壊によって深刻な被害を起こす。また、直下型は地震の前触れがなく、突然大きな揺れとなり、10秒ほどの短時間に、縦に突き上げるような、猛烈なゆれが起こることが特徴である。

記事によると、今回の地震は活断層が水平方向に横ずれして発生したとのこと。電気やガス、水道などのインフラが破壊された可能性が高い。震源域となったチアンジュール県は首都のジャカルタと州都のバンドンの中間地域にあり、比較的支援体制は整いやすいであろうか。

インドネシアは人口2億8000万人の6割が、国土の7%しかないジャワ島に集中している、極めて歪な都市となっている。今回震源となった西ジャワ州は首都のジャカルタに隣接しており、5000万人の人口を数える。日本と同様に地震の多い国であるため、インドネシア政府の復旧・復興対策に期待したい。

「北ICBM発射成功 米韓に対抗」

本日の東京新聞朝刊に北朝鮮メディアが新型大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験に成功したと報じたとの記事が掲載されていた。記事によると北朝鮮が発射したICBMは飛行距離は1万5000キロを超える可能性があり、米国全土を射程に入れることができる。また、北朝鮮は核弾頭を数十発保有しているといわれ、金正恩総書記の「核には核で」とのセリフもあながち虚勢ではないことが伺われる。

ただし、冷静になって考えてみると、いったい北朝鮮に戦争を仕掛けて何のメリットがあるのかということである。戦争自体は数日で終わるかもしれないが、その後の復興支援や政権設立まで含めると、アフガニスタンやイラクに攻撃を仕掛けて泥沼の運営を強いられた米国の二の舞である。

北朝鮮の嫌がらせに過剰に反応することで利益を得るのは、日本や韓国に使えないミサイル迎撃システムを売りつける米国の軍需産業と、それにあやかる日本の防衛産業や政治家だけである。そんな関わるだけ無駄な北朝鮮の挑発は無視するしかない。一方で日中、日韓の絆を深める外交努力が必要である。幸い日韓関係は一時期に比べ修復に向かっている。中国とも100%とは行かないが、政治だけでなく企業や民間交流を含め、様々な交渉チャンネルと用意しておくことが大切だ。

「世界の人口80億人」

本日の東京新聞朝刊に、世界の人口が国連の推計によると80億人を突破したとの記事が掲載されていた。あえて時間をとって紹介したのは、知識ではなく、皆さんの生き方の一つの判断材料になると思ったからである。人口減少に苦しむ日本や韓国と、人口が増加しているインドやフィリピン、パキスタン、アフリカ諸国を様々な点で比較していくことが大切である。これから人口増加していく国は、農業や教育、インフラなど様々な問題と直面することになる。しかし、それ以上に市場(しじょう)としての魅力がある。その魅力に皆さんはどう向き合いますか。

若さは可能性である、たかが16年、17年生きた経験だけで「私はどうせ〜」「私には無理〜」と自分を卑下しないことである。2年生の授業でJICAの取り組みを紹介したが、恥ずかしながら私も海外青年協力隊への参加の可能性を探っている。日本語教師や少林寺拳法の指導などの特技を生かして海外で働くことはできないだろうか。