「進む代替陸上養殖」

本日の東京新聞朝刊に、海産資源の陸上養殖に関する記事が掲載されていた。海上養殖は、初期投資こそ低額で済むが、餌やふんによる海洋汚染や、マングローブ林の伐採などの環境問題が大きいという。

先日、2023年度の東京大学の問題を扱ったが、ちょうど記事で扱われた養殖漁業や栽培漁業に関す内容であった。養殖漁業が海洋・沿岸生態系に及ぼす影響が大きいという点はしっかりと理解しておきたい。

「希望の竿燈」

本日の東京新聞夕刊に、東北三大祭りの一つである秋田の竿燈が取り上げられていた。
1学期に取り上げた私大の入試問題に祭りに関する問題が出題されたので、簡単に復習しておきたい。

青森ねぶた祭り

秋田竿燈祭り

仙台七夕まつり

以上が「東北三大祭り」だが、東北6県の他の3県から指摘があったのだろうか。岩手、山形、福島の祭りも加えて紹介している観光サイトが多い。ただし、最後に取り上げる福島は、県全体を代表する祭りではなく、福島市だけの祭りであり、いわき市や会津若松市、郡山市では独自の祭りが行われている。このあたりは幕末の抗争を経て福島県が誕生した歴史に照らし合わせると面白いかもしれない。

岩手さんさ踊り

山形花笠祭り

福島わらじ祭り

「インド、南シナ海関与強化」

本日の東京新聞朝刊に、インドがフィリピンやベトナムとの軍事連携を強化し、南シナ海でのプレゼンスを高めていくという記事が掲載されていた。全くもって意味のない不要な緊張を招くだけの外交である。貧困や洪水で困っている人たちのためにこそ財政を動かしていくべきである。アメリカに追随するだけでよいのだろうか。非同盟・全方位外交の伝統はどこへ行った?

歴史に踏み込むと、かつてインドは日本の独立(米国隷属)を果たしたサンフランシスコ平和会議に参加しなかった国の一つである。インド・ビルマ(ミャンマー)・ユーゴスラヴィアの3カ国は、講和後における外国軍隊の駐兵を予見するような平和条約の規定や賠償問題への不満などを理由に会議への不参加を表明している。

様々な軋轢を抱える南アジアの盟主であるインドには、1955年のアジア・アフリカ会議でネルー首相が提唱したように、アメリカにもロシアにも属さない第3世界の結集軸として存在感を示してほしい。

「ニジェール2邦人退避」

本日の東京新聞朝刊に、ニジェールの軍事クーデターの様子が掲載されていた。
そもそもニジェールは日本から馴染みが薄い国である。西アフリカの内陸に位置し、面積は約130万平方キロあり、日本の役3.3倍となっている。人口は約2600万人で公用語はフランス語である。一人当たりのGNIは610ドル(2022)となっており、世界最貧国の一つである。ただしウランなどの鉱物資源の輸出が好調なため、失業率は0.5%となっている。

国境を見れば分かるが、定規で引いたようにまっすぐな数理的国境となっている。フランスがアフリカ支配に都合の良いように国境を引いたことが、サヘル地域の貧困と混乱に繋がっている。南側のナイジェリアとはニジェール川で繋がる同じ民族である。北側をフランスが支配したのでフランス読みでニジェール、南側はイギリスが支配したので英語読みでナイジェリアとなっている。もうすぐ人口2億人に達しようかというナイジェリアがニジェールを圧倒しているのが実情である。

記事を読む限りでは、軍事クーデターの背景にどのような動きがあるのかよく分からない。イスラム過激派なのか、ロシアや民間軍事会社ワグネルが絡んでいるとの報道もある。西アフリカ全体に波及する事件ともなるので注目していきたい。

「車8社 世界生産8.5%増」

本日の東京新聞朝刊に、2023年度上半期の国内自動車メーカーの生産・販売実績が掲載されていた。海外生産に比べ国内生産台数の少なさが目につく。マツダ(広島)やスバル(群馬)は国内生産が半分以上を占めるが、トヨタで3分の1、日産やホンダに至っては5分の1ほどに留まっている。

国内生産は昨年に比べ大きく伸びている。しかし、円安がこれだけ進行しているにも関わらず、日本の基幹産業である自動車で空洞化が進んでいる実態が伺われる。ダイハツは国内に4拠点(池田・滋賀・京都・大分)、海外に2か国(インドネシア・マレーシア)の工場を抱えている。国内生産は落ち込んでいるが、海外工場出荷分で十分に穴を埋めている。

自動車メーカーの国内外の工場の稼働率は、一人当たりのGNIや為替相場だけでなく、貿易協定や運送費、市場規模など、複雑な要因が絡んでくる。一概に答えがでるものではないが、時間があれば、どこに工場を置いたらよいかという発問をしてみたい。