「イスラエル最右翼政権誕生へ」

本日の東京新聞朝刊にイスラエルの右派政権「リクード」党首のネタニエフ元首相が、周辺のパレスチナ難民に強固な排撃を主張する輩を政権に取り込んでいるとの記事が掲載されていた。

イスラエルといってもピンと来ない人もいるであろう。面積は2.2万平方キロで日本の四国程度に過ぎない。人口は約950万人で、一人当たりGDPは約51,430ドルとなっている。男子32か月、女子24か月の兵役が課される軍事国家である。

1年生の2学期最後の授業でアラン・レネ監督『夜と霧』(1955 仏)という映画を鑑賞しました。アウシュビッツ収容所で、被害者のユダヤ人だけでなく、加害者のナチスドイツ軍のどちらも極限まで人間が壊されていく惨状が描かれていた。そのユダヤ人が第二次世界大戦後、民族の故郷の地であるエルサレムに続々と入植し、連合軍(国際連合)の支援を受けて承認された国がイスラエルである。当地で暮らしていたパレスチナ人を追いやり、1948年に一方的な独立宣言を行い、アラブ諸国との激しい戦闘(第一次中東戦争)の末に生まれた、いわくつきの国家である。『夜と霧』だけを観ると「ユダヤ人がかわいそう」という印象を持つが、以後の歴史を紐解くと、ナチスドイツを超える嫌がらせをパレスチナに繰り返している。

西アジアの不安定要因の一つである、イスラエルの動向に注目していきたい。

「都市ガス脱炭素へ切り札開発」

本日の東京新聞朝刊に、水素と二酸化炭素からメタンガスを合成する技術開発が進んでいるとの記事が掲載されていた。実現すれば天然ガスに替わるエネルギーの主力となり、脱炭素社会への移行とエネルギー安全保障の点からも、うってつけの切り札となるであろう。まだ実験段階だが、太陽光発電の電気で水を分解して得た水素と、ゴミ焼却場の排ガスに含まれる二酸化炭素からメタンガスができるとのこと。数年前にトヨタの水素自動車MIRAIの記事を読んだ時の興奮を思い出した。

3学期の授業の中で、こうした技術革新に興味を持つ生徒を育てていきたい。

「ロシア・ベラルーシ 国家統合加速協議も」

本日の東京新聞朝刊に、ロシアのプーチン大統領と、隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領の会談に関する観測記事が掲載されていた。ロシアと政治的、経済的、民族的、文化的、言語的、宗教的に極めて近い関係にあるロシアとベラルーシの統合がいよいよ実現するのではという内容である。

ベラルーシはかつて白ロシアとも呼ばれており、ベラルーシとロシアは元々同じ国家の同じ民族であった。たまたま他国による支配の地域差で、別の国家になったに過ぎない。また、どちらも表現や政治的自由が規制されており、独裁国家的な国柄も似ている。昨今の合同軍事展開などを鑑みるに、統合という話はもっともな話だが、新聞記事としてはどうかな?

「アカウミガメ回遊路を追え」

本日の東京新聞夕刊に、日本近海で産卵するアカウミガメの生態に関する記事が掲載されていた。アカウミガメは黒潮に乗って北太平洋中部で回遊して暮らすことが分かっているが、詳細は不明である。記事によると、近年の海水温上昇に伴い、日本近海を流れる暖流ではなく、北米大陸西岸を流れる寒流カリフォルニア海流付近まで生息域を移しているとのこと。海流の動きの地図と見比べると、理解しやすいであろう。

今回のアカウミガメだけでなく、多くの魚が生息域を北に移している。これまで北海道近海の寒海魚がロシアのEEZへ移動するとなると、日本の沖合漁業はますます先細りになってしまう。

「タイ密入国 息潜め生活」

本日の東京新聞朝刊に、ミャンマーの避難民がタイ北西部のターク県に密入国し、不法滞在を余儀なくされている現状が報じられていた。ミャンマーとタイは隣国ではあるが、アルプス・ヒマラヤ造山帯の険しい山に隔てられており、文化や言語も大きく異なる。

1957年に公開された映画『戦場にかける橋』(英・米合作)では、タイとミャンマーの国境近くにある日本軍の捕虜収容所が舞台となっている。奥深いジャングルの中のクワイ河に橋をかけようと日本軍の指揮官と英米の捕虜の駆け引きが展開される。映画は全く知らなくても、劇中の主題曲「クワイ河マーチ」は一度は耳にしたことがあるだろう。「サル、ゴリラ、チンパンジー♪」の替え歌で夙に知られている。

閑話休題。こういう時こそ、2015年に発足した、物品、サービス、投資、熟練労働者、資本の移動などを自由化することで域内の経済発展を目指すASEAN経済共同体(AEC)の出番である。ミャンマーの軍事政府との連携を密にすることは難しいであろうが、タイだけでなく、ASEAN諸国全体の課題として、難民の処遇に向き合ってほしい。