本日の東京新聞朝刊に、ウクライナ侵攻以降、重大な飢餓が拡大しているとの記事があった。一昨年までロシアは小麦や大麦、馬鈴薯、甜菜、ひまわりの種などの農作物の輸出大国であった。また、ウクライナは「欧州の穀倉地帯」と呼ばれ、肥沃な黒土のチェルノーゼムが広がっており、小麦や大麦、とうもろこしなどの穀物が世界中に輸出されていた。
しかし昨年以降ロシアやウクライナからの輸出が止まり、特に貧困国で飢餓が深刻となっている。国連世界食糧計画(WFP)では「飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態」と定義している。
記事にはないが、栄養不足の人口割合が35%を超える国として、アジアでは北朝鮮、アフガニスタン、イエメン、イラク、アフリカではマダガスカル、ソマリア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、中央アフリカ、リベリア、中米のハイチなどが想定されている。
いずれも日本からは心理的に遠い国だが、対岸の火事では済まされない。記事にもある通り、世界で生産される食糧の3分の1が廃棄されているという実態に向き合わなくてはならない。農作物輸入大国の日本だからこそ、授業の中でフードロスはきちんと取り上げていきたい。