本日の東京新聞朝刊に、サッカーW杯が開催されるカタールのお国柄について報じられていた。
確かにカタールといっても原油国でお金持ちの国というイメージしかない。1970年代まで英国の保護下にあり、アラビア語と英語で24時間放送する衛星放送局アルジャジーラがあるため、アラブ圏と欧米の橋渡し的な国だと勝手に理解していた。
人口は280万人で、一人当たりのGDPは約6万2千ドル(2021年)となっており、世界トップレベルの数値である。日本との関係が深く、原油・天然ガスを主とする輸出額のトップは日本である。中東の中でも一番関係が深いのに、日本の存在感は薄い。国内人口280万人のうち、カタール国籍を持つ富裕層は2割程度であり、残りの8割は南アジアやアフリカからの移民が占める。中東の産油国の基盤的な労働を担うのは南アジア出身の労働者が多いというのは共通テストでも出題されている。
イスラム教の教義の否定につながる欧米型民主主義や女性スポーツの普及などは、一朝一夕に解決できるものではない。他国があれこれ口を出すのではなく、アラブ圏の国内での議論の熟成を待ちたい。