「南シナ海上空で 中国軍機が米軍機に異常接近」

本日の東京新聞朝刊に、南シナ海の覇権を巡る中国軍と米軍の小競り合いが報じられていた。記事の背景をまとめると、南シナ海中心部の南沙諸島(スプラトリー諸島)は、莫大な原油・天然ガスが眠るとされる海域で、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張している。とりわけ中国は国際司法裁判所の判決を受け入れず、南シナ海に人工島を建設し、実効支配を強めている。一方、フィリピンや台湾は中国対策を米国に頼り、フィリピンは自国の基地を米軍が使用できるように便宜をはかっている。なお、今回の記事の米軍偵察機は沖縄の嘉手納基地から出動している。

「北朝鮮の無人機侵入 韓国大統領が強硬姿勢」

旅行から帰ってきて、また地理ブログを再開していきたい。
本日の東京新聞朝刊に、韓国の尹錫悦大統領が北朝鮮の無人機が韓国領空に侵入したことを受け、「確固たる報復だけが挑発を抑止できる」と表明したとの記事が掲載されていた。

2学期の授業中にも話したが、北朝鮮の挑発行為に対して、日本政府は「断固として無視」し、食料品や衣料品など庶民の生活に必要な物資の支援は継続しつつ、周辺国と協調して安保理制裁を押し進めることが必要である。

あえて「断固」と授業中に強調したのは、北朝鮮のミサイルが日本の領土領海内に落ちたら、周辺国と連携し集団的自衛権を行使すると、日本政府としてはっきりと表明することが大事である。また、「無視」と言ったのは、北朝鮮の嫌がらせに対して、日本が浮き足だって軍備増強や増税、憲法9条を明らかに逸脱した敵基地先制攻撃などに走ることを恐れたからである。

「イスラエル最右翼政権誕生へ」

本日の東京新聞朝刊にイスラエルの右派政権「リクード」党首のネタニエフ元首相が、周辺のパレスチナ難民に強固な排撃を主張する輩を政権に取り込んでいるとの記事が掲載されていた。

イスラエルといってもピンと来ない人もいるであろう。面積は2.2万平方キロで日本の四国程度に過ぎない。人口は約950万人で、一人当たりGDPは約51,430ドルとなっている。男子32か月、女子24か月の兵役が課される軍事国家である。

1年生の2学期最後の授業でアラン・レネ監督『夜と霧』(1955 仏)という映画を鑑賞しました。アウシュビッツ収容所で、被害者のユダヤ人だけでなく、加害者のナチスドイツ軍のどちらも極限まで人間が壊されていく惨状が描かれていた。そのユダヤ人が第二次世界大戦後、民族の故郷の地であるエルサレムに続々と入植し、連合軍(国際連合)の支援を受けて承認された国がイスラエルである。当地で暮らしていたパレスチナ人を追いやり、1948年に一方的な独立宣言を行い、アラブ諸国との激しい戦闘(第一次中東戦争)の末に生まれた、いわくつきの国家である。『夜と霧』だけを観ると「ユダヤ人がかわいそう」という印象を持つが、以後の歴史を紐解くと、ナチスドイツを超える嫌がらせをパレスチナに繰り返している。

西アジアの不安定要因の一つである、イスラエルの動向に注目していきたい。

「都市ガス脱炭素へ切り札開発」

本日の東京新聞朝刊に、水素と二酸化炭素からメタンガスを合成する技術開発が進んでいるとの記事が掲載されていた。実現すれば天然ガスに替わるエネルギーの主力となり、脱炭素社会への移行とエネルギー安全保障の点からも、うってつけの切り札となるであろう。まだ実験段階だが、太陽光発電の電気で水を分解して得た水素と、ゴミ焼却場の排ガスに含まれる二酸化炭素からメタンガスができるとのこと。数年前にトヨタの水素自動車MIRAIの記事を読んだ時の興奮を思い出した。

3学期の授業の中で、こうした技術革新に興味を持つ生徒を育てていきたい。

「ロシア・ベラルーシ 国家統合加速協議も」

本日の東京新聞朝刊に、ロシアのプーチン大統領と、隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領の会談に関する観測記事が掲載されていた。ロシアと政治的、経済的、民族的、文化的、言語的、宗教的に極めて近い関係にあるロシアとベラルーシの統合がいよいよ実現するのではという内容である。

ベラルーシはかつて白ロシアとも呼ばれており、ベラルーシとロシアは元々同じ国家の同じ民族であった。たまたま他国による支配の地域差で、別の国家になったに過ぎない。また、どちらも表現や政治的自由が規制されており、独裁国家的な国柄も似ている。昨今の合同軍事展開などを鑑みるに、統合という話はもっともな話だが、新聞記事としてはどうかな?