「クロアチア “ユーロ”導入始まる 20カ国目 域内の自由往来も EU結束に弾み」

[テレ朝news]より。

クロアチアで1日からヨーロッパの共通通貨ユーロが導入されました。
ヨーロッパ域内を出入国検査なしで移動できる協定への参加も始まりました。
クロアチアは、1日からこれまでのクーナに替わる通貨としてヨーロッパの共通通貨ユーロを導入しました。ユーロ圏は20カ国に拡大します。
また、同時にヨーロッパ域内を出入国検査なしで移動できる「シェンゲン協定」への参加も始まりました。
協定参加国との間で陸路と海路は1日から、空路では3月26日から自由な往来が可能となります。
 
クロアチアは2013年にEU=ヨーロッパ連合に加盟した最も新しい加盟国で、EU統合が進むことになります。
ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、2023年もEUが結束して対応できるかが注目されます。

「モンゴル 汚職・インフレ、不満爆発」

本日の東京新聞朝刊に、モンゴルで石炭輸出を巡る汚職疑惑で揺れているとの記事が掲載されていた。東アジアの項で取り上げなかったモンゴルについて確認しておきたい。

モンゴルは13世紀後半には世界の4分の1、人口1億人を抱える大帝国であった。しかし、14世紀に入ると、現在のイランやトルコ、ロシア、中国の反乱によって一気に滅亡に向かっていった。16世紀にはインドでモンゴルの名を継いだムガル帝国などの誕生もあったが、現在の領土とほぼ変わらないところまで退却している。

20世紀前半には旧ソ連政権の成立に合わせて、社会主義国となっている。しかし、1990年に旧ソ連が崩壊すると、同じタイミングで社会主義を事実上放棄し、複数政党制を導入し、民主化・市場経済化の道を選択している。

国土こそ日本の4倍の156万平方キロメートルもあるが、人口は日本の3%の340万人しかおらず、国際ニュースで報じられることは少ない。首都のウランバートルに160万人余りが暮らしており、典型的なプライメートシティとなっている。国土の大部分はケッペンの気候区分の亜寒帯冬季少雨気候(Dw)であり、内陸部は海から遠いため、ステップ気候(BS)や砂漠気候(BW)に属している。

モンゴルは工場や農場は少なく、輸出のほとんどを石炭、銅、ウラン、レアメタル、レアアース等の地下資源に頼っている。一人当たりのGDPは4,167米ドル(2020年)となっており、金持ちの国ではないが、緊急の食糧支援を必要としている国でもない。2012年から始まった日本とモンゴルの間で経済連携協定(EPA)交渉が2016年にまとまり、その前後から貿易額は輸出入ともに大幅に増えている。

ネットで検索したところ、不正を起こしたとされるTavan Tolgoi社は、社会主義時代の1966年に設立されている。公有企業なので、民営化する前のJRやJT、JTB、営団地下鉄などをイメージすると分かりやすいだろうか。
一私企業の問題ではなく、モンゴル政府の関与も疑われる深い闇を感じる事件である。

「防衛費5年43兆円」

本日の東京新聞朝刊記事より。
岸田政権は防衛力の抜本的増強を目指し、2022年度まで年間5兆円で推移していた防衛費を5年で43兆円に倍額すると閣議決定している。記事によると、更に「後年度負担」により16.5兆円も予算化されているとのこと。

自衛隊員の給与や食糧などに使われるならば文句はないが、増大分の大半が米国製兵器の購入に充てられるのはいかがであろうか。米国の防衛産業を潤すために税金が増え、社会保障費や教育、インフラ整備などの予算が削られ、これから社会に出る若者の生活レベルが下がるということである。

しかも、さきほどの南シナ海の米軍展開を支える屋台骨が沖縄となっている記事に示されているように、これだけ莫大な防衛予算は日本国民を守るのではなく、米軍のアジア太平洋地域の軍事展開への助太刀が目的である。巡航ミサイル「トマホーク』やF-35戦闘機の配備がどれほど日本国民を守ってくれるのであろうか。

「南シナ海上空で 中国軍機が米軍機に異常接近」

本日の東京新聞朝刊に、南シナ海の覇権を巡る中国軍と米軍の小競り合いが報じられていた。記事の背景をまとめると、南シナ海中心部の南沙諸島(スプラトリー諸島)は、莫大な原油・天然ガスが眠るとされる海域で、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張している。とりわけ中国は国際司法裁判所の判決を受け入れず、南シナ海に人工島を建設し、実効支配を強めている。一方、フィリピンや台湾は中国対策を米国に頼り、フィリピンは自国の基地を米軍が使用できるように便宜をはかっている。なお、今回の記事の米軍偵察機は沖縄の嘉手納基地から出動している。

「北朝鮮の無人機侵入 韓国大統領が強硬姿勢」

旅行から帰ってきて、また地理ブログを再開していきたい。
本日の東京新聞朝刊に、韓国の尹錫悦大統領が北朝鮮の無人機が韓国領空に侵入したことを受け、「確固たる報復だけが挑発を抑止できる」と表明したとの記事が掲載されていた。

2学期の授業中にも話したが、北朝鮮の挑発行為に対して、日本政府は「断固として無視」し、食料品や衣料品など庶民の生活に必要な物資の支援は継続しつつ、周辺国と協調して安保理制裁を押し進めることが必要である。

あえて「断固」と授業中に強調したのは、北朝鮮のミサイルが日本の領土領海内に落ちたら、周辺国と連携し集団的自衛権を行使すると、日本政府としてはっきりと表明することが大事である。また、「無視」と言ったのは、北朝鮮の嫌がらせに対して、日本が浮き足だって軍備増強や増税、憲法9条を明らかに逸脱した敵基地先制攻撃などに走ることを恐れたからである。